○上野村農業災害対策特別措置条例

昭和55年11月5日

条例第28号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、暴風雨、豪雨、地震、降雪、高温、低温、降霜、降ひよう、竜巻、突風等の天災(以下「災害」という。)によつて損失を受けた農業者又は農業者の組織する団体に対し、被害農作物の樹草勢回復、代替作付等に要する費用の助成措置並びに農業経営に必要な資金及び被害農業用施設の復旧に必要な資金の融通を円滑にする措置を講じもつて農業生産力の維持と農業経営の安定を図ることを目的とする。

(災害の指定)

第2条 この条例は、次の各号のいずれかに該当する災害で、村長が農業経営に大きな影響があると認めて指定したもの(以下「指定災害」という。)について適用する。

(1) 農作物の減収量が平年における収穫量の100分の30以上となる被害を受けたほ場の面積が近接して10ヘクタール以上となつた災害

(2) 農業用施設に3万円以上の被害を受けた農業者の戸数が30戸以上となつた災害

(3) 畜舎等に浸水を受けた農業者の戸数が近接地域において30戸以上となつた災害

(4) 群馬県農業災害対策特別措置条例(昭和35年条例第19号)第2条の規定により、知事が指定した災害に係る災害

(措置の決定)

第3条 村長は、指定災害のつど次の各号に掲げるところにより、指定災害について必要な助成措置又は資金の融通を円滑にする措置を定めるものとする。

(1) 前条第1項に掲げる災害については、次に掲げる措置

 樹草勢回復のための肥料等の購入費の助成

 樹体被害の復旧又は補修に要する費用の助成

 農作物の病害虫防除に要する費用の助成

 蚕種、種苗等の購入費の助成

 代替作付及びこれに必要な農作物の取りかたづけ作業についての助成

 種苗、桑葉等の輸送についての助成

 からまでに掲げる助成の対象とならない農作物の収穫のため特に加重される作業に要する費用ついての助成

 経営資金の融通を円滑にするための措置

(2) 前条第2号に掲げる災害については、農業用施設資金の融通を円滑にするための措置

(3) 前条第3号に掲げる災害については、畜舎等の病害防除についての助成

第2章 助成措置

(補助)

第4条 村は、次に掲げるものに対し予算の範囲内において補助金を交付する。

(1) 第2条第1号に掲げる指定災害による農作物の減収量が、その農作物の平年における収穫量の100分の30以上に及ぶ農業者(その者の農業所得が総所得の100分の50以上である者をいう。以下同じ。)

(2) 第2条第3号に掲げる指定災害により畜舎等に被害を受けた農業者

2 前項第1号において「農作物」とは、米、麦、桑、果樹、こんにやく等指定災害のつど、村長が、農家経済の維持に重要と認めるものをいう。

3 第1項第2号において「畜舎等」とは、畜舎、鶏舎等指定災害のつど、村長が、農業経営の維持に重要と認めるものをいう。

4 第1項の補助金の交付基準は、村長が、定める。

(適用除外)

第5条 前条第1項の規定による補助金については、農業者1人に対する額が1000円未満のものについては同項の補助金交付の対象としない。

(補助の振替)

第6条 第3条第1号又は第3号に掲げる助成措置に対して県から補助金が交付された場合において、当該助成措置に対して第4条に規定する補助金が交付されているときは、当該村補助金の交付をもつて県補助金の全部又は一部の交付があつたものとみなす。

第3章 経営資金の融通を円滑する措置

(定義)

第7条 本章において「被害農業者」とは、農業者で第2条第1号に掲げる災害による農作物、畜産物若しくは繭の減収量がその農作物畜産物若しくは繭の平年における収穫量の100分の30以上でありかつ、これによる損失額がその者の平年における農業による総収入額の100分の10以上である旨又は同号に掲げる災害による果樹、茶樹、桑樹等の永年作物の(その者が栽培する果樹、茶樹、桑樹等の永年作物のそれぞれについて5アール以上の栽培面積を有する場合の永年作物に限る。)の流失、損傷、枯死等による損失額がその者の栽培する果樹、茶樹及び桑樹等の永年作物の被害時における価額の100分の30以上である旨の村長の認定を受けたものをいう。

2 本章において、「特別被害農業者」とは、被害農業者で第2条第1号に掲げる災害による農作物、畜産物若しくは繭の減収による損失額がその者の平年における農業による総収入額の100分の50以上である旨又は同号に掲げる災害による果樹、茶樹、桑樹等の永年作物の流失、損傷、枯死等による損失額がその者の栽培する果樹、茶樹、桑樹等の永年作物の被害時における価額の100分の50以上である旨の村長の認定を受けたものをいう。

3 本章及び第5章において「経営資金」とは農業協同組合又は金融機関が被害農業者に対して種苗、肥料、飼料、薬剤、農機具(購入価額が20万円以下のものに限る。)、家畜等の購入資金、労賃、土地改良区の土地改良施設の維持管理等の水利費、農作物共済、蚕繭共済又は家畜共済に係る掛金等の支払に必要な資金、その他農業経営に必要な資金として貸し付ける資金で次の各号に該当するものをいう。

(1) 次のからまでのいずれかに該当するものであること。ただし、乳牛及び乳牛以外の牛又は馬を所有する農業者に貸し付けられる場合並びに既に経営資金の貸付けを受けておりその償還期限内に被害農業者に該当することとなつた農業者に、その既に貸付けを受けている経営資金の償還に充てるために必要な資金として貸し付けられる場合にあつては、からまでの額にそれぞれ村長が、別に定める額を加えた額の範囲内とする。

 果樹栽培者(その行う農業について、果樹の栽培を主な業務とし、かつ、村長が、認定する損失額のうち果樹の栽培に係る部分がその100分の50以上である者をいう。)に果樹の栽培に必要な資金として貸し付けられる場合並びに家畜飼養者(家畜又は家きんの飼養を主な業務とする者をいう。)に家畜若しくは家きんの購入又は飼養に必要な資金として貸し付けられる場合にあつては、特別被害農業者について損失額の100分の55(激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和37年法律第150号。以下「激甚災害法」という。)の適用を受けた災害の場合は100分の80)に相当する額又は400万円(村長が定める法人にあつては2,000万円)のいずれか低い額の範囲内

 を除く特別被害農業者に貸し付けられる場合にあつては損失額の100分の45(激甚災害法の適用を受けた災害の場合は100分の60)に相当する額又は400万円(村長が定める法人にあつては2,000万円)のいずれか低い額の範囲内

 を除く被害農業者に貸し付けられる場合にあつては損失額の100分の45(激甚災害法の適用を受けた災害の場合は100分の60)に相当する額又は160万円(村長が定める法人にあつては2,000万円)のいずれか低い額の範囲内

(2) 償還期限が6年(激甚災害法の適用を受けた災害の場合は7年)の範囲内で村長が定める期限以内のものであること。

(3) 償還方法が収穫期ごとの各年元本均等償還のものであること。

(4) 利率が特別被害農業者で特別被害地域内において農業を営む者に貸し付けられる場合は年3パーセント以内(貸付けの日から起算して2年以内は無利子)、被害農業者(特別被害地域以外の特別被害農業者を含む。)で第2条第1号に掲げる災害による農作物、畜産物及び繭の減収による損失額がその者の平年における農業による総収入額の100分の30以上である旨の村長の認定を受けたものに貸し付けられる場合は年4.5パーセント以内、その他の場合は年5.5パーセント以内のものであること。

(5) 保証人が2人以上のものであること。

(6) 貸付期間が村長の定めた期間内のものであること。

4 前項に規定する「特別被害地域」とは、旧市町村(昭和28年9月30日現在における区域をいう。)の全部若しくは一部の区域でその区域内の被害農業者中に含まれる特別被害農業者の数が100分の10以上であるもののうち、村長が、指定した区域をいう。

(利子補給及び損失補償)

第8条 村は、農業協同組合又は金融機関(以下「融資機関」という。)と次の事項について契約を結ぶことができる。

(1) 融資機関が被害農業者に貸し付けた経営資金の利子補給

(2) 融資機関が被害農業者に経営資金を貸し付けたことによつて受けた損失についての補償

2 前項の契約には、次の各号に掲げる事項を含まなければならない。

(1) 融資機関は当該契約により損失補償を受けた後も、善良な管理者の注意をもつて当該融資に係る債権の回収に努めなければならない。

(2) 融資機関は、当該契約により損失補償を受けた後に、当該債権の回収によつて得た金額のうちから債権行使のために要した費用を控除し、残額があるときは、これで当該融資について損失補償を受けない損失をうめ、なお残額があるときは、当該契約により村から受けた損失補償の金額に達するまでの金額を村に納付しなければならないこと。

3 第1項の損失は、融資元本の償還期限到来後3月を経過して、なお、元本又は利子(当該期間内における融資残高につき当該融資の条件として村長が、別に定める遅延利子を含む。以下同じ。)の全部又は一部が回収されなかつた場合におけるその回収されなかつた金額とする。

4 第1項の規定による契約に基づいて村が補給する利子は、当該融資につき貸付利率が年5.5パーセント以内のものについては年6パーセント以内、貸付利率が年4.5パーセント以内のものについては年7パーセント以内、貸付利率が年3パーセント以内のものについては年8.5パーセント以内(貸付けの日から起算して2年以内は、年11.5パーセント以内)で、村長が別に定める割合でそれぞれ計算した金額とする。

5 第1項の規定による契約に基づいて、村が行う損失補償の限度は、融資機関ごとに当該融資額の50パーセントに相当する金額とする。

(融資額の限度)

第9条 前条の規定により村が、融資機関と契約する場合における利子補給及び損失補償に係る経営資金の総額は、指定災害のつど村長が、定める額を限度とする。

(法及び県条例による融資措置)

第10条 災害に対して、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法(昭和30年法律第136号。以下「法」という。)第2条第1項若しくは法の適用の特例に関する法律(以下「特例法」という。)が定められた場合において当該法若しくは当該特例法の規定に基づく政令又は群馬県農業災害対策特別措置条例(昭和35年群馬県条例第19号。以下「県条例」という。)第2条の規定に基づく災害の指定により、被害農業者に資金の融通措置が講じられたときは、当該資金については第7条から第9条までの規定を準用する。ただし、経営資金の貸付限度額、償還期限、利率及び貸付期間は法若しくは特例法又は県条例の規定するところによるものとする。

(資金の借替)

第11条 被害農業者が経営資金の貸付を受けた後において、当該指定災害に対して、第2条第1項若しくは特例法の規定に基づく政令又は県条例第2条の規定に基づく災害の指定により、資金融通の措置又は資金融通措置の特例が講じられたときは、被害農業者は、村長の指定する期日までに第7条第3項の経営資金を法若しくは特例法又は県条例による資金に借り替えなければならない。

第4章 農業用施設資金を円滑にする措置

(定義)

第12条 本章で「農業団体」とは、農業協同組合、農業生産法人その他農業を営む者で組織する団体をいう。

2 本章及び次章において「農業用施設資金」とは農業協同組合又は農業協同組合連合会が農業者又は農業団体に対してこれらのものが第2条第2号に掲げる災害により被害を受けた農業用作業舎、畜舎、鶏舎、養蚕飼育用施設、ビニールハウス等(以下本章において「農業用施設」という。)の復旧に必要な資金として貸し付ける資金で、次の各号に該当するものをいう。

(1) 村長が、認定する農業用施設の復旧に要する経費の100分の80に相当する額又は400万円(共同利用施設にあつては1,600万円)のいずれか低い額の範囲内のものであること。

(2) 償還期限が7年の範囲において村長が、定める期限以内のものであること。

(3) 償還方法が各年元本均等償還のものであること。

(4) 利率が年4.5パーセント以内のものであること。

(5) 保証人が2人以上のものであること。

(6) 貸付期間が村長の定めた期間内のものであること。

(利子補給及び損失補償)

第13条 村は、農業協同組合又は農業協同組合連合会と次の事項について契約を結ぶことができる。

(1) 農業協同組合が農業用施設に被害を受けた農業者又は農業団体に貸し付けた農業用施設資金の利子補給

(2) 農業協同組合連合会が農業用施設に被害を受けた農業協同組合に貸し付けた農業用施設資金の利子補給

(3) 農業協同組合が農業用施設に被害を受けた農業者又は農業団体に農業用施設資金を貸し付けたことによつて受けた損失についての補償

(4) 農業協同組合連合会が農業用施設に被害を受けた農業協同組合に農業用施設資金を貸し付けたことによつて受けた損失についての補償

2 前項の規定による契約に基づいて村が、補給する利子は当該融資額につき、年7パーセント以内で村長が、別に定める割合で計算した金額とする。

3 第1項の規定による契約に基づいて村が行う損失補償の限度は融資機関ごとに当該融資額の50パーセントに相当する金額とする。

4 第8条第2項及び第3項の規定は第1項第3号又は第4号の規定による契約及び損失についてこれを準用する。

第5章 雑則

(融通資金の貸付条件の緩和措置)

第14条 村長は、経営資金及び農業用施設資金の貸付けを受けている者がその償還期限内に再び第2条に掲げる災害により被害の認定を受けた場合は、その既に貸し付けられている資金の償還について別に定めるところにより償還条件の変更をすることができるものとする。

(条例等の違反に対する措置)

第15条 村は、村と契約した農業協同組合、農業協同組合連合会若しくは金融機関が、この条例に基づいて定めた規則に違反したときは、当該農業協同組合、農業協同組合連合会又は金融機関に補給すべき利子の全部若しくは一部を補償せず、補償すべき損失の全部若しくは一部を補償せず又はすでに交付した利子補給額若しくは損失補償額の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。

(報告、監査)

第16条 村長は、助成又は経営資金若しくは農業用施設資金の貸付が適正に行なわれているかどうかを知るために必要があると認めるときは、当該農業協同組合、農業協同組合連合会若しくは金融機関から報告を徴し、又は職員をして農業協同組合、農業協同組合連合会若しくは金融機関の事務所に立ち入り、助成若しくは貸付状況を監査することができる。

(委任)

第17条 この条例施行のため必要な事項は規則で定める。

附 則

この条例は、公布の日から施行し、昭和55年4月1日から適用する。

附 則(平成24年条例第7号)

この条例は、平成24年4月1日から施行する。

上野村農業災害対策特別措置条例

昭和55年11月5日 条例第28号

(平成24年4月1日施行)